じ―――――――――･･････

っと、お客様を見つめる天然鯛。

ちょっぴりはにかみ屋さんなので、真っ正面から自分を表現するのは少し苦手です。
ほら、聞こえませんか。
天然鯛の、心の声が。

「選んでほしい・・・ぼくを！」

ご夕食の時間、レストランに入ると、入口で真っ先にお客様をお待ちしているのが、
このキレイなお姉さん（ではない場合もございますのでご了承下さい）。

お造り五点盛りのうちの二種類を、お客様のお好みでお選びいただいています。
この、「選ばれしニ種類」という栄冠をつかみたい！
一匹、一匹のお魚が、今夜も真剣です。
しかも、旬が過ぎてしまえば即刻、戦力外通告。
よりフレッシュで品質の高いお魚での再編成が待っています。
お造り業界は、厳しい。

そんな厳しいお造り業界でしのぎを削る、五種類のお魚くんたち。

なんと言っても一番人気は天然鯛！!
天然ならではの鮮やかな色合いと、美しいフォルム。
もちろんお味も最高です。
なのに、この自信なさげな表情がまた、いとおしいですね。
高級魚の自覚はあるんでしょうか？

飛んでます！！
なんだかテンション高めな彼女は、縞鯵（しまあじ）さん。
脂がのってます。
こう見えて、栄養も満点なんです。
前に突き出した唇が、いちばんのチャームポイント。
釣り人のあいだでは、『ガラスの唇』なんて呼ばれているそうですよ。
うふん。

でろ～ん

なんか、夢に出てきそうですね。
こちらはイカの王様、アオリイカ先生です。
生きて泳いでいるときは、半透明でとてもきれいなんです。
本当です。
軟らかくて、甘ーい、やさしいお味が口いっぱいに広がります。

マジメを絵にかいたような姿と表情が、いいですねぇ。
お造り界の学級委員長。
伊佐木（イサキ）です。
知名度が低いのが悩みです。
ですが、鯛に匹敵するとも言われるおいしさ！！
白身のお魚で、お味はさっぱりしています。

さいごは、カンパチの登場です。
大きいからという理由で、舟盛りの集合写真では一番うしろにポジショニングしていますが、しっぽしか写っていませんでした。
ごめんね。

天然鯛と並んで、この人も国民的人気者。
ぷりぷりに脂がのっています。

う～、どれにしようかなぁ。

あなたなら、どれにしますか？？